「モンコ」とは何だろう?
ほどほどに記憶を辿ると、私の母親が壁面や屋根の裏側の板切れに浮かぶ模様を指差しては「モンコが来るぞ」と言われた気がする。
なるほど、確かに暗がりで以下の画像の様な物を指差されて脅されれば、大概の子供は怖がるだろう。
木材の節が目に見えたり、口に見えたり、組み合わさって顔に見えたり……
壁のモンコ
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屋根の裏側のモンコの巣 |
拡大してみるモンコ |
モンコという名の怪異は聞いたことが無い。
さてはて、この名前に関して母親に問いただしてみたものの、「しらねぇ」という素っ気無い返事が返ってくるのみであった。
どうやら本当に口から出任せで言ってた疑惑がある。
試しに近隣の人間に「モンコ」の存在を聞いてみるが、当然のように誰も知らないと口を揃える。
近隣以外に住む高校時代の知人たちに聞いてみても、分からないと皆が口々に言う。
疑問は謎のまま10年以上経った所で、何気なく車で聞いていたラジオから答えが聞こえてきた。
――九州では子供に言うことを聞かせるとき「モウコが来るぞ」と言って脅す
蒙古襲来が元ネタであろう。
いかに恐ろしかったかを後世に伝える方法として子供が使われているのだろうか?
元ネタが分かったので検索してみれば……
東北では「もっこが来るぞ」というのは割とメジャーであると分かった。これが訛ったものであろう。
たまに耳にする「むくりこくり」も同意義なのか……
肝心の蒙古襲来。
コロッと忘れているのでググると分かりやすいページが有った。
実に分かりやすくて面白かった。
上記ページを表示してすぐに目に入る地図がなんとも言えない。
アジアを席巻したモンゴル帝国衰退の嘆きと怨念は、わが母が歪曲して木材に染込ませたことで次世代へと受け継がれることであろう。
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