2013年12月6日金曜日

amazonレビューの傾向と対策 「★★★星三個のレビューを見よう」


当方、絵や音楽、文章などの作品に対する赤の他人の感想や批評を見るのが好きであります。
当方お気に入りの作品に対する悪罵や罵詈雑言も大歓迎でございます。
過去においては、露骨に勘違いの非難をする御仁の意見などを見ては腹を立てたりしてたものですが、最近ではむしろ面白く感じており、イラ付く自分の感情ですら面白いと認識するに至っております。

この捻じ曲がった感情を弄んで自らを悦ばせるのに大変都合がよろしいのが、通販最大手のamazonの商品に対するレビューであります。
だれでも書きこむことができるので、敵対戦力への嫌がらせ、単なるマンセー、真面目な批評、など等、実に玉石混交で当方にはありがたい狩場となっております。



発端


先日、知人女性が何も考えずに鞄を買ったところ、あまりの駄目さに絶望した挙句、旦那にレビュー見ないで買うとかありえないと言われ、二重に凹んだという話を聞いたのであります。

そこで、買い物をする際にamazonのレビューを当てにしていいものだろうか? という視点で眺めておりましたところ、多少の方向性が見えてまいりました。

家電や家具、工具などの物理的な使用を前提とする物であれば、高評価が多い物を選べば問題ないでしょう。
ところが、本や絵画に分類される物は、個人の主観でしか判断されません。客観を装っても所詮は人間なので、やっぱり主観なのです。


上記の事を念頭に、サンプルとして京極夏彦の「姑穫鳥の夏」のレビューを見てみたところ、当方の勝手な解釈ですが、面白い傾向が見られました。

レビューは『批評の文章』と『1~5個の星の数』でする事になっております。
以下に当方が勝手にデフォルメしたレビューを書きます。



星が5個のレビューは概ね褒めるばかりで

★★★★★
もうサイコウ!
大傑作!

★★★★★
デビュー作にして至高

といった有様で信者な感じであり、まったく購入の参考になりません。




対極の星1個のレビューはおおよそ、

ミステリーじゃない
トリックが最低


妖怪小説だと思ったら違った


他人の記憶が見えるとかアフォ

どれも勘違いした方向性を持っており、お茶を買ったつもりでコーラだったので駄目、といったかのような、これまた星5つと同じくまったく購入の参考になりません。


中間の星3個のレビューは
★★★
本の厚さに二の足を踏んでいたけど、読んでみたら全然気にならない。
一気に読んでしまった。
グロテスクな所もあるので万人向けではないかも
薀蓄が長く、そこがおもしろいが、逆にそれが嫌な人間には不向き。

★★★
推理小説だと思って買ったけど実は違ってた。けど大変おもしろい。
トリックのネタはこのシリーズ以外であったら焚書物だろう
ちなみに妖怪は出てこない。
過去から伝わる妖怪の性質を、現代の現実世界になぞらえて使っている程度と思ったほうがよいだろう。

★★★
水木しげる的な妖怪が跋扈するのを予感していたら全然違いました。
ミステリー探偵推理小説ともまたちがいますし、なによりそんな事を謳っていないのにそう思われているのがもったいないかも知れません。
「妊娠20ヶ月目の妊婦」の謎を解き明かす為に、個性溢れる登場人物達の馬鹿馬鹿しくも省略できない問答がおもしろいです。
犯人や謎を推理する、という読み方をする方には不向きでしょう。まったくトリックになっていません――が、これはこれでありだとおもいました。

星が三個のレビューは、良い所と悪い所の両方を挙げていて、分量が多い傾向が見られます。
単純に情報量が多いということは「これはどういった本なのかな?」という好奇心を満たしてくれる可能性が高くなります。


以上、少し穿った見方なのですが、絶賛意見の少し下を眺めると人生シアワセになるかもしれないと思った次第であります。











余談。


レビュー自体を評価できるのだが……
さてどうしたものか……




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